侵害 留保 説 - 侵害留保とは 一般の人気・最新記事を集めました

侵害 留保 説 - 法律の留保とはどういう意味?法律による行政の原理の重要な概念

侵害 留保 説 - 法律による行政の原理/行政作用の諸形式

法律の留保とは、法律上の根拠がなければ行政活動を行うことができないとする原則です。 法律の留保をどこまで適用するかは、「侵害留保説」「全部留保説」「権力留保説」「社会留保説」の4説があります。 侵害留保説とは、国民の権利を規制し義務を課す侵害行政について法律の根拠が必要だとする説です。 本来、行政権とは行政府が公共目的を達成するために独自の判断と責任で自由に行う自律的作用であるところ、これを国民の財産と権利を保護するために、これらを権力的に制限・侵害する行為のみを法律に留保するという説です。 しかし、法律の根拠が必要だとする範囲が狭すぎますし、法律による行政の原理の民主主義的意義からのアプローチが抜けています。 法律による行政の民主主義的意義とは、行政活動について国民の代表たる国会が制定した法律を根拠として要求するものです。 行政権を法律によって抑制しようとする自由主義的意義とは異なり、民主主義的意義では、行政権の積極的な行使を認めた上で国民によるコントロールの下に置かれるべきだとしています。 侵害留保説では、この「国民のコントロール下に置く」を無視することになってしまいます。 全部留保説は、全ての行政活動に法律の根拠を必要だとする説です。 民主国家においては、一切の行政活動は全ての国民の意思に基づかなければならないからです。 しかし、実際に行政による対応の必要性が生じても法律がなければ行政需要に対応することが出来ず、迅速な行政活動に支障をきたします。 それを防ぐためには包括的な授権を立法する他になく、結局のところ法律によるコントロールが効かなくなります。 権力留保説とは、権力的手段による行政活動に法律の留保が必要だとする説です。 民主国家においては、全ての権力の源泉は国民の代表たる国会の制定する法律にあるところ、これにより当然に国民に優越する権力を行政府が持つことは認められないからです。 したがって、国や自治体が国民に対して優越し、国民を抑圧し一方的に法律関係を強制するような権力行為については、それを認める法律・条例が必要です。 給付行政には法律の根拠を求めない侵害留保説とは異なり、権力留保説では権力的手段による給付行政にも根拠を求めています。 しかし、例えば行政指導のような非権力的行政活動について統制が及ばないとする批判があります。 社会留保説とは、侵害行政に加えて社会権の確保を目的とする給付行政にも法律の根拠が必要だとする説です。 福祉国家には、公権力から国民の財産と自由を擁護するだけでなく、国民の生存権を確保するという責務もあるからです。 しかし、社会権に関する全ての給付行政に法律の根拠が必要なのか、どのように限界を設けるのか、といった問題があります。 伝統的通説および判例は侵害留保説を採用しているが、実務上は給付行政も法律の根拠に基づいています。 これは、国民の権利を守る責務もある福祉国家において、侵害行政だけに法律の根拠を要求するのでは足りないことを示しています。 侵害留保説に加えて、法律の授権による民主的コントロールと充実した行政活動との調和を図るべく、機械的に結論を出すのではなく個別に決定すべきです。 法律の留保を適用できるか否かが問題となった事件が2つあります。 1つは、自動車一斉検問です。 警察官職務執行法で、警察官は不審人物に職務質問をする権限を有しています。 しかし、自動車の一斉検問は不審か否かに関わらず一律に停車を求められます。 法律によって認められている職務質問の要件を逸脱した違法なものではないかと争われました。 最高裁は、警察法2条1項において交通の取締が警察の責務として規定されていることにかんがみ、これを維持するために行われる諸活動は、非強制的手段かつ自動車利用者を不当に制約しない限りは認められる、としました。 もう1つは、緊急行為です。 国民の生命等の重大な法益を守るために行政が緊急で対処する必要がある場合ですらも法律の根拠が必要なのかという問題です。 この点、河川法・漁港法上の占用許可もなく漁港内に鉄杭が設置され船舶の航行に危険を生じさせていた状況において、自治体が条例もなく緊急にこの鉄杭を撤去したところ、それが違法だとして争われたことがあります。 最高裁は、撤去自体は行政代執行法上違法ではあるが、緊急事態に対処するためにやむを得ないことであり、民法720条に照らすと、撤去費用を公金で支出したことは違法ではないとしました。 ただし、この判例は緊急行為であればすべからく法律の根拠が不要であると認めたわけではありません。


こっちか!法律の授権とかってのは! この侵害留保説が 通説みたいです。

More

塩野宏『行政法I行政法総論第4版』有斐閣、2005年、62頁。

More

よって、警職法2条により、自動車の一斉検問は認めてよい。

More

実際、日本でも授益的行政活動であっても、法律に基づいているものもあります。

More

根拠がないと何もできない、してくれないというのも頼りないし。

More

そして、交通原票のいわゆる赤切符の交付を受けて、警察官の運転中止の指示に従い徒歩で帰宅した。

More

なんでも法律ありき。

More

塩野宏『行政法I行政法総論第4版』有斐閣、2005年、68頁。

More